「国際的な資格を取りたいけど、USCPA・USCMA・EAのどれを選べばいいの?」
本記事では、注目される3つの米国系会計資格について、試験制度、難易度、費用、キャリア、向いている人の特徴など、網羅的に比較・解説していきます。
資格の概要と位置づけ
資格名 | 正式名称 | 管轄機関 | 主な対象業務 |
USCPA | U.S. Certified Public Accountant | 各州会計委員会(NASBA) | 会計・監査・税務全般 |
USCMA | Certified Management Accountant | IMA(米国管理会計士協会) | 管理会計・経営分析・財務戦略 |
EA | Enrolled Agent | 米国IRS(内国歳入庁) | 税務申告・税務代理 |
USCPAは最も汎用性が高く、会計・税務・監査の広い分野に対応できます。
USCMAは企業内での経営支援や管理会計に特化。
EAは米国税務に特化し、IRSに登録された税務代理人として活動可能です。
試験制度・受験資格・合格率

USCPA・USCMA・EAはそれぞれ試験科目数や難易度、受験資格が異なります。
USCPAは州によって要件が分かれ、やや複雑ですが汎用性が高く、USCMAは企業内キャリア志向に適し、EAは米国税務に絞った実務向け資格として位置づけられています。
比較項目 | USCPA | USCMA | EA |
受験資格 | 大卒+単位要件 | 学士以上+実務経験2年 | 制限なし |
試験科目 | 4科目(FAR/AUD/REG/BAR) | 2科目(Part1/2) | 3科目(Ind/Bus/Rep) |
合格率 | 約50%前後/科目 | 約50% | 約70% |
試験言語 | 英語 | 英語 | 英語 |
試験方法 | プロメトリックで通年実施 | 同上 | 同上 |
EAは最もハードルが低く、独学での合格も現実的です。
一方、USCPAは制度が複雑で各州ごとに要件が異なり、取得までに時間がかかります。
取得にかかる期間と費用

取得までにかかる時間や費用は資格ごとに大きく異なります。
USCPAは時間もコストもかかりますが、その分得られるリターンも大きく、USCMAとEAは比較的短期間かつ低コストでの取得が可能です。
資格 | 取得期間 | 費用目安 | 学習スタイル |
USCPA | 1〜2年 | 約60〜100万円 | 通信・通学(Abitus、TAC) |
USCMA | 半年〜1年 | 約30〜60万円 | オンライン中心(Becker等) |
EA | 3〜6か月 | 約10〜30万円 | 独学・Gleim等 |
USCPAは長期間・高コストですが、その分リターンも大きくなります。
EAは短期間・低コストで取得可能な資格です。
取得後のキャリア・年収・評価

資格取得後のキャリアパスや年収の傾向は資格ごとに明確な違いがあります。
USCPAは外資系・監査法人などでの高年収キャリアが多く、USCMAは企業内の企画職、EAは税務分野における実務者として高い専門性を発揮します。
資格 | キャリアパス | 国内年収例 | 海外年収例 |
USCPA | 監査法人、外資経理、M&A | 600〜1,200万円 | $80,000〜150,000 |
USCMA | 経営企画、財務分析、上場企業内経理 | 500〜1,000万円 | $70,000〜120,000 |
EA | 税務代理、米国税理士、移転価格業務 | 400〜800万円 | $60,000〜90,000 |
USCPAはBIG4監査法人や外資系企業で特に需要が高く、USCMAは管理部門や財務職での評価が高まっています。
EAは税理士法人や米国クライアントを持つ企業での評価が高いです。
難易度と向いている人の特徴
USCPA・USCMA・EAはそれぞれ異なるスキルセットや目的に適した資格です。
どの資格が向いているかを判断するには、あなたの英語力、キャリアの志向、学習期間の余裕などを踏まえることが重要です。
タイプ | USCPAがおすすめ | USCMAがおすすめ | EAがおすすめ |
海外で働きたい | ◎ | ◯ | △ |
経営企画・財務に興味がある | ◯ | ◎ | △ |
税務専門職を目指す | △ | △ | ◎ |
英語に自信がある | ◎ | ◎ | ◎ |
短期間で取得したい | △ | ◯ | ◎ |
まとめ:目的別おすすめ資格
- 国際的な会計キャリアを目指す → USCPA
- 経営分析・FP&Aを目指す → USCMA
- 米国税務で独立や専門性を重視 → EA
それぞれに強みがあるため、自分のキャリアビジョン・英語力・学習時間を考慮して、最適な資格を選びましょう。