USCPA(米国公認会計士) 基礎知識・試験制度

USCPAの学歴審査(学歴評価)とは?NIES・FACSの費用・期間・申請手順を実務目線で解説

サイト内にPRを含みます

「学歴審査(学歴評価)の手続きでUSCPAの受験準備が止まっている」「NIESとFACSのどちらを使えばいいのか分からない」というUSCPA受験者は多い。日本の大学で取得した学位や単位を米国の基準に置き換えるこの手続きは、仕組みそのものが分かりにくいうえ、費用も1か所にまとまっていないため、想定より高くつくケースがある。

この記事では、学歴審査の申請手順・費用の内訳・審査期間の目安・よくある失敗を実務目線でまとめる。先に結論を言うと、学歴審査の費用は「出願州への申請料」と「評価機関への評価料」が別々にかかる二重構造になっており、着手は早ければ早いほどよい。

結論

学歴審査の費用は二重にかかる。早めの申込みが鉄則

米国外の学歴を使う出願者は、出願州への申請料と評価機関(NIES・FACS等)への評価料を両方支払う必要がある。審査には書類の国際郵送を含めて1〜3ヶ月かかるため、受験を決めたらできるだけ早く申し込むのが定石だ。

費用

州の申請料+評価料

ワシントン州なら合計$346程度

期間

1〜3ヶ月

公式目安は書類到着後6週間

注意

90日以内提出

超過すると評価料は返金されない

USCPAの学歴審査(学歴評価)とは?なぜ必要か

「WHY?」の吹き出しが書かれたメモとペン。学歴審査がなぜ必要かを考えるイメージ

学歴審査(学歴評価、英語ではCredential Evaluation)とは、日本の大学で取得した学位や単位を、米国の教育制度に照らして評価してもらう手続きのことだ。USCPA試験は各州の会計士委員会(Board of Accountancy)が受験資格を管理しており、米国外の大学を卒業した出願者は、自分の学歴が受験資格を満たすかどうかを、州が指定する第三者評価機関に判定してもらう必要がある。

評価機関はNIES(NASBA International Evaluation Services)、FACS(Foreign Academic Credentials Service)、ERES(Educational Records Evaluation Service)などが代表的で、どの機関を使うかは出願する州によってあらかじめ決まっている。これらの機関の詳しい違いや、出願州ごとの対応関係は後述するが、まずは「学歴審査とは何をする手続きか」を押さえておきたい。

学歴審査の対象になる人

学歴審査が必要になるのは、米国外の大学(日本の大学を含む)で学位を取得した出願者だ。米国の大学を卒業している場合、その大学の成績証明書がそのまま受験資格の判定に使われるため、学歴審査は原則不要になる。日本の大学・大学院を卒業してUSCPAを目指す場合は、ほぼ全員がこの手続きを避けて通れないと考えてよい。

学歴審査でわかること

学歴審査を受けると、出願州が定める受験資格の基準に照らして、次のようなことが数字で明らかになる。

  • 会計科目の単位が、米国基準で何単位分として認定されるか
  • ビジネス科目の単位が、米国基準で何単位分として認定されるか
  • 取得した学位が、米国の学士号・修士号相当と認められるか

この評価結果が出て初めて、出願州が求める会計単位・ビジネス単位に対してどれだけ不足しているかが確定する。つまり学歴審査は、USCPA受験に向けた不足単位の履修計画を立てるための出発点にあたる。自分の受験資格そのものを州別の数字で確認したい場合は、USCPAの受験資格を解説した記事もあわせて確認しておきたい。

学歴審査の評価機関はどう決まる?NIES・FACS・ERESの選び方

学歴審査を受け付ける評価機関は、受験者が自由に選べるものではない。出願する州ごとに、その州が指定する評価機関があらかじめ決まっており、出願州が決まった時点で使う機関も自動的に決まる。代表的な評価機関はNIES・FACS・ERESの3つで、いずれも米国外の学歴を米国基準に換算する役割は同じだが、申請フローや費用体系が異なる。

各機関の詳しい違いや、出願州ごとにどの機関が使われるかの対応関係は、USCPAの出願州の選び方を解説した記事で比較表つきにまとめている。迷った場合はまずそちらで自分の出願州に対応する機関を確認し、この記事では申請の実務(費用・期間・手順・失敗しやすいポイント)に絞って解説していく。

学歴審査の費用はいくら?「州の申請料」と「評価機関の評価料」の二重構造

「PRICE」の積み木ブロックと指し棒を持つ人形。学歴審査の費用を説明するイメージ

学歴審査でまず押さえておくべきなのは、費用が1か所にまとまっていないという点だ。米国外の学歴を評価してもらう場合、「出願州に支払う申請料」と「評価機関に支払う評価料」を別々に支払う必要がある。この二重構造を知らずに評価機関側の費用だけを予算に入れていると、想定より高くついて後から慌てることになる。

NIESの評価料$250+州のEducation Evaluation Application Fee($96〜136)

NASBA CPA Portal経由で出願する場合、州側では「Education Evaluation Application Fee」という名目の申請処理料がかかる。この金額は州によって異なり、ワシントン州$96・アラスカ州$121・グアム$136となっている。これとは別に、評価機関であるNIES(NASBA International Evaluation Services)自体の評価料として$250が必要だ。両方を合計すると、たとえばワシントン州出願の場合は$96+$250=$346程度が学歴審査まわりの実質的な費用になる。

費用の内訳

NIES利用時の州別費用シミュレーション

州への申請料とNIESの評価料$250を合算した目安額。円換算は1ドル=157円で計算した参考値で、実際のレートにより変動する。

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

出願州州側の申請料NIES評価料合計目安(円換算)
ワシントン州$96$250$346程度(約5.4万円)
アラスカ州$121$250$371程度(約5.8万円)
グアム$136$250$386程度(約6.1万円)

学歴審査以外にも、受験申請料・NASBA試験手数料など、USCPA合格までにかかる費用は多岐にわたる。全体の総額を円建てでシミュレーションしたい場合は、USCPAの費用総額をまとめた記事を参照してほしい。

FACSの費用体系(document-by-document/course-by-course)

出願州によっては、NIESではなくFACS(Foreign Academic Credentials Service)が指定評価機関になる。FACSの費用は評価方式によって変わり、学位・卒業証明書の真正性と米国での相当学位を確認する「document-by-document評価」が$100、科目ごとに単位換算まで行う、より詳細な「course-by-course評価」が$200だ。GPA(成績評価点)の算出をあわせて依頼する場合は+$50が必要になる。

成績証明書・卒業証明書が英語以外の言語で発行されている場合は翻訳が必要で、翻訳料金は1ページあたり$60〜100程度が目安とされる(翻訳料金は依頼先によって幅があるため、事前に見積もりを確認しておくと安心だ)。標準的な審査期間は6〜8週間で、追加費用を払えば5・10・20営業日の速達オプションを選ぶこともできる。

学歴審査にかかる期間|いつまでに申し込むべきか

NIES公式の目安(6週間)と実務上の所要期間(1〜3ヶ月)

NASBA公式は、必要書類がすべて揃ってから6週間を審査期間の目安としている。ただしこれは書類がNIESに到着してからの日数であり、日本の大学に成績証明書・卒業証明書の発行を依頼し、厳封のまま国際郵送する期間は含まれていない。この前後の期間まで含めた実務上の所要期間は、1〜3ヶ月程度で見ておくのが現実的だ。アビタスの公式ガイドでも、標準で2ヶ月、混雑時は3ヶ月程度かかると案内されている。

大学の年度末・年度初めは要注意

大学の証明書発行窓口は、3〜4月の年度末・年度初めに申請が集中しやすく、通常より発行に時間がかかる傾向がある。この時期に受験を計画している場合は、2〜3週間程度の余裕を見て、早めに大学へ証明書発行を依頼しておくと安心だ。

「学歴審査に有効期限はある?」への回答:90日ルールと出願州変更時の再評価

「学歴審査に有効期限はあるのか」という疑問への答えは、正確には「オンライン申請そのものに提出期限がある」という形になる。NIESの場合、オンライン申請と支払いを済ませてから90日以内に、成績証明書・卒業証明書がNIESへ到着しなければならない。この期限を過ぎると、支払い済みの$250は返金されず、申請自体が無効になる。大学への証明書発行依頼は、オンライン申請と同時か、それより先に済ませておくのが安全だ。

出願する州を後から変更したくなった場合、学歴審査を最初からやり直す必要はない。NIESに"change your jurisdiction"(管轄変更)の申請書を提出すれば、既存の評価結果をもとに新しい出願州向けのレポートが1〜2日程度で発行される。ただしNIESの対象は25州・地域で、ニューヨーク州はNIESでの評価を実施していない。ニューヨーク州へ出願先を変更する場合は、評価機関自体が変わる点に注意したい。出願州ごとの詳しい要件は出願州の選び方を解説した記事で確認できる。

学歴審査が完了し受験資格が確定したあと、実際にNTS(Notice to Schedule、受験許可証)を取得するまでの流れは、NTS取得の手続きを解説した記事にまとめている。

学歴審査(NIES)の申請手順|3ステップ

START・STEP1・STEP2・STEP3・GOALと書かれた階段状の積み木。学歴審査(NIES)の申請3ステップを表すイメージ

ステップ1:オンライン申請・支払い

NASBAのサイト上で学歴審査(International Evaluation Services)の申請フォームに必要事項を入力し、$250をクレジットカードで支払う。この際、本人確認のためパスポートの写真ページの画像アップロードが求められる。申請者の氏名は、パスポートに記載されたアルファベット表記と完全に一致させる必要がある。

ステップ2:必要書類の準備・郵送(厳封の注意)

出身大学に英文の成績証明書・卒業証明書を発行してもらい、大学が発行した状態のまま(厳封)でNIES宛てに国際郵送する。厳封を自分で開封してしまうと、証明書としての効力が失われる点に注意したい。オンライン申請から90日以内にNIESへ到着させる必要があるため、大学への発行依頼は早めに動くのが鉄則だ。

ステップ3:評価結果の受け取り・確認方法

評価結果は出願州(NASBA CPA Portal経由で州の会計士委員会)へ直接送付される。申請者本人にもメールで完了通知が届き、NIESのオンラインアカウントにログインすればPDFで評価結果を確認できる。

学歴審査でよくある失敗5選

  1. 氏名スペルがパスポートと不一致 — 申請者氏名は、パスポートに記載されたアルファベット表記と完全に一致させる必要がある。不一致があると別人として扱われ、受理されないことがある。
  2. 改姓時の追加書類忘れ — 結婚等で改姓し、卒業証明書が旧姓表記のままになっている場合、婚姻証明書(または英訳)の追加提出が必要になる。
  3. 厳封を自分で開封してしまう — 成績証明書・卒業証明書は大学発行の厳封状態が必須で、自分で開封すると証明書として無効になる。
  4. 単位を揃えてから申し込もうとして出遅れる — 「必要単位が確定してから学歴審査を申し込む」という順番は非効率だ。学歴審査は単位数に関係なく先に申し込める。むしろその評価結果によって初めて不足単位数が確定する。受験を決めた時点で早めに申し込むのが定石だ。
  5. 完了通知メールを見落とす — 評価完了のメール通知が届かない、あるいは見落とすケースがある。進捗はメールだけに頼らず、NIES・FACSのオンラインポータルを直接確認しておきたい。

よくある質問(FAQ)

学歴審査はいつまでに終わらせるべきですか?

受験を決めた段階で、できるだけ早く申し込むのが望ましい。学歴審査の結果が出て初めて不足単位数が確定するため、これを待たずに追加科目の履修計画を立てることはできない。NIESを利用する場合、オンライン申請から90日以内に証明書を到着させる必要があるため、大学への証明書発行依頼は申請と同時か、それより先に済ませておくとよい。

出願州を変更したら学歴審査はやり直しになりますか?

やり直す必要はない。NIESでは"change your jurisdiction"(管轄変更)の申請書を提出すれば、既存の評価結果をもとに新しい出願州向けのレポートが1〜2日程度で再発行される。ただしニューヨーク州はNIESでの評価を実施していないため、ニューヨーク州へ変更する場合は評価機関自体が変わる。

学歴審査の費用は予備校の受講料に含まれますか?

含まれないのが一般的だ。学歴審査にかかる費用(評価機関への評価料、出願州への申請料)は、NASBAや評価機関のサイト上で受験者本人が直接支払う実費であり、予備校の受講料とは別会計になる。

まとめ

USCPAの学歴審査は、出願州への申請料($96〜136)と評価機関への評価料(NIESなら$250)を別々に支払う二重構造になっており、ワシントン州出願なら合計$346程度が目安になる。審査期間は公式目安で6週間だが、書類の国際郵送を含めた実務上の所要期間は1〜3ヶ月かかる。オンライン申請から90日以内に証明書を到着させる必要があるため、受験を決めたらすぐに申し込むのが失敗を避ける最善策だ。氏名スペルの一致・厳封の維持・完了通知の確認といった細かい注意点を押さえておけば、手続き自体は難しいものではない。

サポートを受けたい方へ

学歴審査の手続きは、予備校のサポートを活用する選択肢もある

学歴審査の申請自体は受験者本人が直接NASBAや評価機関とやり取りする手続きだが、書類の準備方法や出願州の選び方まで含めた出願全体のサポートを受けられる予備校もある。アビタスでは、学歴審査の依頼方法を含めた出願サポートを受けながら学習を進められる。

アビタスの無料資料請求・説明会はこちら

出典:NASBA公式(International Evaluation Services)、アビタス公式サイト
※料金・審査期間・提出期限等の制度は変更される可能性があります。申し込み前に必ずNASBA公式サイト・各評価機関の公式サイトで最新情報を確認してください。

当サイトおすすめのUSCPA予備校

自分に合った学校と出会うことは大切です。
まずは無料説明会に気軽に参加してみることをお勧めします。

アビタス(Abitus)

USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
  1. 日本語教材の質と学習効率の高さ
  2. 合格実績No.1!圧倒的な合格者輩出数
  3. 手厚いサポート体制で「合格」まで伴走
  4. 充実したキャリアサポートで「合格後」も見据える
  5. 通学・通信を選べる柔軟な学習スタイル

-USCPA(米国公認会計士), 基礎知識・試験制度