USCPA(米国公認会計士) 基礎知識・試験制度

USCPAの受験資格は?学歴・単位・実務経験を州別の数字で解説【2026年】

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USCPAの受験資格は、会計単位24単位・ビジネス単位24単位が主流です。アラスカ州だけは会計15単位のみで足り、モンタナ州は学士号がなくても受験できます。

「USCPA 受験資格」を調べると、「学歴要件」「会計単位」「ビジネス単位」という言葉は出てきても、「結局、自分は何単位必要なのか」という数字にたどり着けないことが多いはずです。この記事は、その数字にまず答えます。

  • 会計単位はいくつ必要か
  • ビジネス単位はいくつ必要か
  • 学士号がなくても受験できる州はあるか
  • 実務経験は何年・何時間必要か

この4つの問いに、州(ワシントン・アラスカ・グアム・モンタナ)ごとの数字で回答します。出願州をどこにするか、学歴評価機関をどう選ぶか、出願の具体的な手順といった「選び方」の部分は、姉妹記事の出願州の選び方で詳しく解説しています。本記事は「自分は受験資格を満たせるか」を数字で確認するためのリファレンス、姉妹記事は「数字を満たした前提で、どの州に出願すべきか」を判断するためのガイドです。

USCPAの受験資格は、州の会計委員会が規則を改定するたびに変わります。ワシントン州は2025年11月20日、アラスカ州は2026年1月1日に、それぞれ要件が変更されたばかりです。古い情報のまま「学士号+150単位が必須」と理解していると、実際には満たせる要件を満たせないと誤解したまま出願を諦めてしまうことがあります。本記事は、この2つの直近の変更を反映した最新の数字で整理しています。

この記事の結論

  • 会計単位は24単位が主流(アラスカ州のみ15単位で足りる代替ルートがある)
  • ビジネス単位も24単位が主流(アラスカ州の代替ルートはビジネス単位が不要)
  • 学士号がなくても受験できる州がある(モンタナ州。会計24単位+ビジネス24単位のみで受験可能)
  • 受験資格とライセンス要件は別物。受験に受かることと、CPAとして名乗れる免許を取ることは、必要な単位数も実務経験も異なる
  • 一般事業会社の経理・財務・税務での勤務も、実務経験として認められる(ワシントン州。有資格CPAによる証明が条件)

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【結論】USCPAの受験資格を満たすための3つの数字

USCPAの受験資格は、州によって細部が異なりますが、共通して確認すべき数字は「学位要件」「会計単位」「ビジネス単位」の3つです。日本人受験者が実務上検討するワシントン州・アラスカ州・グアム・モンタナ州の4州で比較します。

表①

州別・受験資格の数字一覧(学位/会計単位/ビジネス単位)

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

州学位要件会計単位ビジネス単位備考
ワシントン州学士号(Option A)24単位(うち15単位は上級・大学院レベル)24単位2025年11月20日以降、これだけで受験・ライセンス取得の両方に対応できる
アラスカ州学士号+代替ルート15単位(代替ルート)、または24単位+関連科目9単位(標準ルート)標準ルートのみ必要(経済学・数学等9単位)代替ルートはビジネス単位が不要。卒業見込みでの在学中受験ルートもある
グアム学士号(専攻により変動)24単位24単位会計専攻の学位があれば単位要件が緩和される
モンタナ州不要(受験のみなら学位不問)24単位(初級科目を除く)24単位ライセンス取得(合格後の免許化)には別途、学士号相当の学歴が必要

※すべて受験資格(試験を受けるための条件)の数字です。ライセンス取得(合格後の免許化)の要件は次の「受験要件とライセンス要件は別です」の章で扱います。

学士号がなくても受験できる州がある(モンタナ州)

モンタナ州は、学士号がなくても受験できます。モンタナ州会計委員会の公式要件では、認定4年制大学のコースワークとして会計24単位(初級レベルを除き、財務会計・監査・税務・管理会計を各1科目以上含む)+ビジネス24単位を満たせば受験できると定められており、学士号の取得そのものは受験の条件として明記されていません。

「高卒でもUSCPAを受験できるか」という疑問への答えは、「高卒のままでは受験できないが、学士号を取らずに大学の単位だけで会計24単位・ビジネス24単位を揃えれば、モンタナ州で受験できる」というのが正確な整理です。短大・専門学校・大学中退などで大学の単位を一部持っている人にとって、モンタナ州は現実的な選択肢になります。

ただし、受験資格と、合格後にCPAとして名乗るためのライセンス取得要件は別です。モンタナ州でもライセンス取得には学士号以上の学位(または学士号+追加単位)が必要になるため、「モンタナ州経由なら学位なしでCPAになれる」わけではありません。詳しくは次章で説明します。

会計単位が最も少なくて済む州(アラスカ州)

会計単位の必要数が最も少ないのはアラスカ州です。アラスカ州には受験資格を満たすルートが3つあり、そのうち「学士号+会計15単位のみ」という代替ルートでは、ビジネス関連の追加科目なしで受験資格を満たせます。

表①-c

アラスカ州の受験資格3ルート

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

ルート内容
ルート1(標準)学士号(地域認定校)+会計24単位+ビジネス法3単位+経済学3単位+数学/統計/情報科学3単位。または学士号+会計15単位のみの代替ルート
ルート2(在学中)学位取得に必要な残り単位が18単位以内+会計15単位取得済み(卒業見込みで受験可能)
ルート3(実務経験ルート)学士号+CPAの直接監督下での公開会計実務経験1年

大学で会計をほとんど履修していないが、学士号は持っている社会人にとって、ルート1の代替ルート(会計15単位のみ)は単位取得の負担を最小化できる選択肢になります。なお、修士号などの上位学位は学士号の代替として認められない点、18歳以上・良好な素行が求められる点もアラスカ州の要件に明記されています。

グアムは学位の専攻によって必要単位が変わる

グアムは、学位の専攻(会計かビジネスか)によって、追加で必要な単位が変わるという点で他の3州と異なります。次の3つの選択肢のいずれかを満たせば受験できます。

表①-d

グアムの受験資格3つの選択肢

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

選択肢内容
選択肢1会計専攻の学士号以上(AACSB認定校)
選択肢2ビジネス専攻の学士号(AACSB/ACBSP認定校)+会計24単位
選択肢3米国の学士号相当+会計24単位+ビジネス24単位

すでに会計専攻の学位を持っていれば、追加の単位取得なしで受験資格を満たせます。ビジネス専攻であれば会計24単位の追加だけで済み、会計ともビジネスとも関係のない学位であれば、選択肢3の会計24単位+ビジネス24単位のフルセットが必要になります。自分の専攻がどの選択肢に当てはまるかで、追加単位の量が大きく変わる州です。

4年制大学卒なら、多くの場合は追加単位だけで済む

学士号をすでに持っている人にとって、受験資格のハードルは「学位を取り直すこと」ではなく「会計・ビジネスの単位を後から追加取得すること」です。会計24単位・ビジネス24単位という基準は、日本の大学の学部を問わず、米国基準の単位に換算して不足分を積み増す形で満たすのが一般的です。文系学部・理系学部のどちらの出身でも、この積み増しのルート自体は変わりません。「理系だから受験できない」ということはなく、必要な単位を後から取得すれば要件を満たせます。自分がどの科目で何単位不足しているかは、大学の英文成績証明書をもとにした単位診断で確定できます。

USCPAの受験資格で確認する4つのポイント

USCPAの受験資格を確認するイメージ

ここから、受験資格の中身を項目ごとに詳しく見ていきます。

1. 学歴要件|高卒・短大卒・大学在学中はどうなるか

学歴要件は州によって次のように分かれます。

  • 学士号が必須の州(ワシントン州・グアムなど): 4年制大学の学位が受験の前提条件になる
  • 学士号が不要な州(モンタナ州): 会計24単位・ビジネス24単位を大学等で取得していれば、学位がなくても受験できる
  • 在学中でも受験できるルートがある州(アラスカ州など): 卒業見込みで、学位取得に必要な残り単位が一定数以内(アラスカ州の場合18単位以内)かつ会計単位を取得済みであれば受験できる

高卒(大学に進学していない、または中退している)場合、大学等で会計・ビジネスの単位を取得しない限り、いずれの州でも受験資格は満たせません。「高卒でも受けられる」という表現は正確には「学士号がなくても、大学の単位だけで受けられる州がある」という意味であり、学修そのものが不要になるわけではない点に注意してください。短大卒・専門学校卒の場合も同様に、既に取得している単位が会計・ビジネスの区分にどれだけ換算できるかが出発点になります。

会計24単位・ビジネス24単位は、1科目3単位の授業に換算するとおよそ16コマ分に相当します。大学に在籍していない状態からこの単位数をすべて取得するのは大きな学習量になりますが、短大・専門学校・大学中退で一部の単位をすでに持っている場合、その単位が会計・ビジネスのどちらかに換算できれば、必要な追加コマ数はその分減ります。まず自分の既存の単位がどこまで換算できるかを確認することが、高卒ルートを検討するうえでの最初のステップです。

2. 会計単位・ビジネス単位|州別の必要単位数

前章の表①のとおり、会計単位24単位・ビジネス単位24単位が最も一般的な基準で、ワシントン州・グアム・モンタナ州がこの水準です。アラスカ州の代替ルートのみ、会計15単位でビジネス単位が不要になります。

会計単位・ビジネス単位は、それぞれ次のような科目区分の合計で数えます。

  • 会計単位に含まれる科目の例: 財務会計、監査/保証業務、税務、管理会計/原価会計
  • ビジネス単位に含まれる科目の例: 経済学、財務、ビジネス法、統計・情報科学

日本の大学の授業名は米国の科目区分と一致しないため、「簿記の授業を取ったから会計単位はクリア」のような自己判断はできません。成績証明書を米国基準に評価し直して、初めて正確な不足単位数がわかります。この評価(学歴評価)については次項で説明します。

会計24単位・ビジネス24単位の科目内訳

「会計24単位」「ビジネス24単位」と言われても、具体的にどの科目を指すのか分かりにくいはずです。グアムの公式要件を例に、内訳を見てみます。

表①-b

会計24単位・ビジネス24単位の科目内訳(グアムの例)

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

区分単位数含まれる科目の例
会計単位24単位財務会計、監査/保証業務、税務、管理会計/原価会計(各分野を1科目以上含む)
ビジネス単位24単位経済学6単位、財務3単位、ビジネス法3単位を含む、その他ビジネス関連科目

州によって具体的に指定される科目名・単位数の内訳には差がありますが、「会計は財務会計・監査・税務・管理会計の4分野をまんべんなく」「ビジネスは経済学・財務・法律を中心に」という組み立て方はどの州でも共通しています。日本の大学で簿記・会計学・経済学・商法などを履修していれば、その多くがどちらかの区分に換算できる可能性がありますが、正確な換算は学歴評価機関の審査が必要です。

3. 米国外学歴の評価(学歴評価)|NIES・FACS・ERES

日本の大学・大学院で取得した単位は、米国基準でいくつの単位に相当するかを、第三者の学歴評価機関に評価してもらう必要があります。代表的な評価機関にはNIES(National International Evaluation Service)のほか、FACS、ERESなどがあり、出願する州によって指定される機関が異なります。評価結果によって、会計単位・ビジネス単位それぞれの不足数が確定します。

学歴評価は、州への出願・単位取得計画の両方の起点になる工程です。「自分が何単位不足しているか」を正確に把握しないまま予備校や単位取得先を決めると、過不足のあるプランを選んでしまうことがあります。まず学歴評価(または簡易的な単位診断)を受け、不足単位数を確定させてから次のステップに進んでください。

正式な学歴評価は評価機関への申請から結果が出るまで一定の審査期間がかかり、評価料も発生します。出願前の段階でおおまかな不足単位数を把握したいだけであれば、予備校が提供する無料の単位診断を先に使う進め方が現実的です。正式な学歴評価の費用や、出願全体でかかる金額の内訳はUSCPAの費用は総額いくらかにまとめています。

3択ミニ診断

あなたはどのタイプ?

A. 単位は足りていそう(大学で会計・ビジネス科目を履修済み)

会計24単位・ビジネス24単位の基準に対して、大学の履修内容がどこまで換算できるかを確認しましょう。不足があっても、少数科目の追加取得で済むケースが多い層です。

B. 単位不足が不安(会計をほとんど学んでいない社会人・理系出身など)

「理系だから」「文系だから」で受験資格が決まるわけではありません。必要なのは学部ではなく単位の中身です。不足単位数を確定させてから、取得計画を立てましょう。

C. ライセンス取得まで見据えたい

受験資格を満たすことと、合格後にCPAとして名乗れるライセンスを取ることは別要件です。次の章で違いを確認してください。

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受験要件とライセンス要件は別です

USCPAで最も誤解されやすいのが、「試験に合格すること」と「CPAとして名乗れる免許(ライセンス)を取ること」が別の手続きだという点です。この2つは必要な単位数も、実務経験の要否も異なります。

受験要件で確認すること

受験要件は、「試験を受けるための最低条件」です。前章までに整理した学歴要件・会計単位・ビジネス単位が該当し、実務経験は原則として受験の条件には含まれません(アラスカ州の一部ルートを除く)。まず受験要件を満たせば、試験そのものにチャレンジできます。

具体的に確認すべきは次の3点です。学位の有無(または在学中であれば卒業見込みの時期)、会計・ビジネスの取得単位数(不足があれば何単位か)、出願先の州が指定する学歴評価機関での評価結果です。この3点が揃った時点で、出願書類の準備に進めます。「単位は足りているはずだが、成績証明書を出したことがない」という段階では、まだ受験要件を満たしているかどうかは確定していません。

ライセンス要件で確認すること|追加単位・実務経験・倫理試験

ライセンス取得(合格後にCPAとして登録すること)には、受験要件に加えて次の要素が必要になります。

  • 追加の単位: 州によっては、受験時の単位に加えて追加の単位取得が求められる(ワシントン州のOption Cなど。この経過措置は2035年12月31日で廃止予定)
  • 実務経験: 州が定める年数・時間数の実務経験(次章で州別に解説)
  • 倫理試験: AICPAが実施する倫理試験の受講・合格
  • 州への登録: 出願した州の会計委員会へのライセンス登録

これらは受験資格の審査とは別に、合格後にあらためて確認・申請する項目です。「受験資格さえ満たせば自動的にライセンスまで取れる」わけではないという点を、出願州を決める前に押さえておいてください。

つまり、「受験資格を満たして合格すること」と「その後にライセンスを取ること」は別のゴールです。転職市場では「USCPA試験合格者」という肩書きだけで評価されるケースもあり、ライセンス取得まで進むかどうかは、目指すキャリアによって判断が変わります。監査法人での実務など、ライセンスの保有そのものが必須の職種を目指す場合は、受験資格の段階からライセンス要件まで見据えて州を選ぶ必要があります。

モンタナ州のライセンス取得ルート|受験資格とのギャップ

前章で触れたとおり、モンタナ州は受験資格の段階では学士号を必要としません。しかし、合格後にCPAとして登録する(ライセンスを取る)には、次の3つのルートのいずれかで学士号相当の学歴を満たす必要があります。

表③

モンタナ州のライセンス取得3ルート

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

ルート学歴実務経験
ルート1学士号以上(会計コンセントレーション)1年
ルート2学士号(会計コンセントレーション)+追加30単位1年
ルート3学士号(会計コンセントレーション)2年

つまり、「モンタナ州は学士号なしで受験できる」ことと「モンタナ州は学士号なしでCPAになれる」ことは、まったく別の話です。受験だけを先に済ませ、学士号は後から(あるいは並行して)取得するという進め方は可能ですが、ライセンス取得を最終目標にするのであれば、いずれかの時点で学士号相当の学歴が必要になることを前提に計画してください。

USCPAの実務経験要件を州別の数字で解説

実務経験は、受験資格そのものには原則として不要ですが、ライセンス取得には必須です。「USCPA 実務経験」「USCPA 実務経験なし ライセンス」という検索が多いのは、この受験資格とライセンス要件の違いが分かりにくいためです。ここでは州別に、ライセンス取得に必要な実務経験の年数・時間数を数字で整理します。

表②

州別・実務経験要件(受験資格とライセンス取得を分けて明記)

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

州受験資格に実務経験は必要かライセンス取得に必要な実務経験
ワシントン州不要Option A: 2年(24ヶ月・4,000時間)。Option B・C: 1年(12ヶ月・2,000時間)
アラスカ州原則不要(学位+CPA監督下1年の実務経験を学位の代替として使えるルートが別途ある)学士号+会計単位の要件を満たしたうえで実務経験2年。2026年1月1日付で「150セメスター時間要件」を撤廃(後述)
グアム不要標準ルート: 2年以上・4,000時間以上。150単位パスウェイ: 1年以上・2,000時間以上(申請日から5年以内に取得したもの)
モンタナ州不要ルート1: 学士号以上+実務1年/ルート2: 学士号+追加30単位+実務1年/ルート3: 学士号+実務2年

一般事業会社の経理・財務・税務経験でも認められる(ワシントン州)

社会人の受験者が最も不安に感じるのが、「監査法人や会計事務所で働いた経験がないと、実務経験として認められないのでは」という点です。この不安には、明確に「いいえ」と答えられます。

ワシントン州の公式要件では、実務経験として認められる範囲は公認会計事務所での実務に限定されません。「産業界・政府機関での勤務」も対象に含まれます。フルタイム・パートタイムの組み合わせ、複数の雇用主にまたがる経験、無報酬の経験も対象になり得ます。検証(証明)は、5年以上有効なCPAライセンスを保持する者が行う必要があります。

つまり、一般事業会社の経理・財務・税務部門で働いている人でも、その業務内容を有資格CPAに証明してもらえれば、ワシントン州のライセンス取得に必要な実務経験として認められます。監査法人や会計事務所の勤務経験がないことを理由に、ライセンス取得をあきらめる必要はありません。証明者になれる有資格CPAとのつながりをどう確保するかが、実務上のポイントになります。

アラスカ州のライセンス要件は2026年1月1日に緩和された

アラスカ州会計委員会は、2025年12月発行の公式フライヤーで、「150セメスター時間要件」を2026年1月1日発効で撤廃したことを発表しています。改正前は、学士号に加えて合計150時間相当の追加学修がライセンス取得に必要でしたが、この要件は撤廃されました。

ただし、これはライセンス取得(合格後の免許化)の要件についての緩和であり、受験資格として必要な会計15単位(または24単位+関連科目)の話とは別です。学士号+会計単位の要件+実務経験2年という組み合わせ自体は、緩和後も引き続きライセンス取得に必要です。「受験資格」と「ライセンス要件」を混同しないよう、この2つを分けて理解してください。

実務経験なしで受験・ライセンス取得はできるか

受験だけなら、実務経験なしで可能です。前章で述べたとおり、実務経験は原則として受験資格の条件に含まれません。一方、ライセンス取得には実務経験が必須です。試験に合格しても、州が定める年数・時間数の実務経験を積み、有資格CPAによる証明を得なければ、ライセンスは取得できません。

社会人で実務経験の確保が不安な場合は、次の2点を先に確認してください。現在の職務内容が、出願先の州で実務経験として認められる範囲に含まれるか、そして証明してくれる有資格CPAとのつながりを確保できるかです。この2点さえクリアできれば、監査法人や会計事務所の勤務経験がなくても、ライセンス取得への道は開けます。

グアムの150単位パスウェイのように、実務経験には「いつまでに取得したものが有効か」という期限がある州もあります。グアムの場合、申請日から5年以内に取得した経験のみが対象で、1〜3年の期間内に1年以上・2,000時間以上を積む必要があります。古い勤務経験をそのまま使えるとは限らないため、ライセンス取得を検討し始めた時点で、出願先の州の実務経験の期限も合わせて確認してください。

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出願州はどう選ぶか|詳しい比較は別記事で

日本とアメリカ各州の地図、出願州を選ぶイメージ

ここまでの数字を踏まえると、「自分が受験資格を満たせるか」はおおむね判断できるはずです。次の疑問は「では、どの州に出願すべきか」ですが、これは本記事の役割ではありません。受験資格の数字を満たせる州が複数ある場合、最終的な決め手になるのは単位数ではなく、学歴評価にかかる期間・出願書類の手続き・実務経験を証明してくれるCPAとのつながりのしやすさといった手続き面です。この手続き面の比較は、次章で案内する姉妹記事が担当します。

ワシントン・アラスカ・グアム・モンタナの向き不向き(概要)

  • ワシントン州: 学士号+会計24単位+ビジネス24単位があれば、2025年11月20日以降は追加単位なしで受験・ライセンス取得の両方に対応できる。将来的にライセンスまで取得したい人に向く
  • アラスカ州: 会計15単位のみで受験できる代替ルートがあり、単位取得の負担を最小化できる。自分の学歴・単位状況をできるだけ簡潔に確認したい人に向く
  • グアム: 学位の専攻(会計/ビジネス)によって必要単位が変わり、実務経験は150単位パスウェイなら1年以上・2,000時間以上で足りる。学歴評価機関や出願ルートを丁寧に確認したい人に向く
  • モンタナ州: 学士号がなくても会計24単位+ビジネス24単位で受験できる。高卒・短大卒・大学中退などで、まず受験資格だけを満たしたい人の選択肢になる(ライセンス取得には別途学歴相当が必要な点に注意)

出願州の選択は、単位数だけでなく、学歴評価機関の指定・出願フロー・NTS(受験許可証)の取得手続きまで含めて判断する必要があります。この州ごとの手続き面の詳しい比較は、姉妹記事に譲ります。

📍 出願州の詳しい比較はこちら

「数字は満たせそうだが、結局どの州に出願すればいいか分からない」という方は、出願州の選び方|ワシントン・アラスカ・グアムの選び方で、学歴評価機関の選び方・出願の具体的な手順・NTS取得までの流れを解説しています。本記事で受験資格の数字を確認したら、次はこちらで出願州を決めてください。

受験資格に不安がある人は、単位診断から始めよう

ここまでの数字はすべて、「大学等でどの科目を何単位取得しているか」を米国基準に評価し直して初めて正確にわかります。最後に、次に取るべき行動を整理します。

不足単位があると、費用とスケジュールが変わる

会計・ビジネスの不足単位が多いほど、単位取得にかかる費用と時間が増え、合格までの総額・スケジュールに影響します。「自分は何単位不足しているか」を早い段階で確定させることが、無駄のない計画の第一歩です。USCPA全体の費用感はUSCPAの費用は総額いくらかで解説しています。

予備校を使うなら、単位取得・出願サポートまで確認する

予備校を選ぶ際は、受講料だけでなく、単位取得のサポート範囲・出願州選びの相談可否・学歴評価の手続き支援まで含めて比較することをおすすめします。予備校ごとに単位取得の課金方式(込み型・パック型・従量型)が異なり、不足単位数によって実質的な総額が変わります。予備校3校の比較はUSCPA予備校3校の徹底比較にまとめています。大学在学中に受験を目指す場合の進め方は大学生のうちにUSCPAを目指す場合の進め方で解説しています。

チェックリスト

✅ 自分の受験資格を確定させる3ステップ

  1. 大学の英文成績証明書を用意する(会計・ビジネスそれぞれ何単位が米国基準に換算できるかは、この書類がなければ確定できません)
  2. 無料の単位診断(または学歴評価)を受け、不足単位数を数字で確定させる(本記事の表①で示した州別の基準と照らし合わせます)
  3. 不足単位数をもとに、出願州とライセンス取得まで見据えるかどうかを決める(出願州の選び方は次章の姉妹記事を参照してください)

この3ステップを踏めば、「自分はUSCPAを受験できるのか」という疑問は、抽象的な不安ではなく具体的な数字として答えが出ます。

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USCPAの受験資格・出願要件に関するよくある質問

高卒でもUSCPAを受験できますか?

高卒のままでは受験できませんが、大学等で会計24単位・ビジネス24単位を取得すれば、モンタナ州で受験できます。モンタナ州は受験資格として学士号を求めておらず、必要な単位さえ揃えれば受験可能です。ただし、合格後にCPAとして名乗るためのライセンス取得には、別途学士号相当の学歴が必要になります。

理系出身でもUSCPAを受験できますか?

受験できます。受験資格は出身学部で決まるのではなく、会計・ビジネスの単位をどれだけ取得しているかで決まります。理系学部出身でも、不足している会計・ビジネス単位を後から取得すれば、文系学部出身者と同じ基準で受験資格を満たせます。

会計単位・ビジネス単位は具体的に何単位必要ですか?

ワシントン州・グアム・モンタナ州は会計24単位+ビジネス24単位が基準です。アラスカ州のみ、会計15単位で足りる代替ルートがあります(この場合ビジネス単位は不要)。日本の大学の授業は米国の科目区分と一致しないため、実際の不足数は学歴評価(または単位診断)で確定させる必要があります。

実務経験がなくてもライセンスは取得できますか?

受験だけなら実務経験は不要ですが、ライセンス取得には実務経験が必須です。ワシントン州はOption Aで2年(4,000時間)、Option B・Cで1年(2,000時間)。グアムは標準ルートで2年以上(4,000時間以上)、150単位パスウェイで1年以上(2,000時間以上)。監査法人や会計事務所の勤務経験がなくても、一般事業会社での経理・財務・税務経験を有資格CPAに証明してもらえれば、ワシントン州では実務経験として認められます。

受験資格とライセンス要件は何が違いますか?

受験資格は「試験を受けるための条件」、ライセンス要件は「合格後にCPAとして登録するための条件」で、必要な単位数・実務経験の要否が異なります。受験資格の段階では実務経験は原則不要ですが、ライセンス取得には州が定める年数・時間数の実務経験と、AICPAの倫理試験合格が必要です。

アラスカ州の「150時間要件」の撤廃とはどういう意味ですか?

ライセンス取得の要件が緩和されたという意味です。改正前は、学士号に加えて合計150時間相当の追加学修がライセンス取得に必要でしたが、アラスカ州会計委員会は2026年1月1日発効でこの要件を撤廃しました。ただし、これは受験資格として必要な会計単位(15単位または24単位)とは別の話で、学士号+会計単位+実務経験2年という組み合わせ自体は引き続き必要です。

ワシントン州の受験資格は2025年に変わったと聞きましたが、本当ですか?

本当です。2025年11月20日発効の新ルールにより、受験・ライセンス取得の教育要件がOption A・B・Cの3つに整理されました。学士号+会計24単位(うち15単位は上級・大学院レベル)+ビジネス24単位を満たすOption Aであれば、従来必須とされていた追加30単位なしで、受験とライセンス取得の両方に対応できます。

米国外(日本)の大学の学歴はどう評価されますか?

NIES・FACS・ERESなどの学歴評価機関に、成績証明書を提出して評価してもらいます。出願する州によって指定される評価機関が異なります。評価結果によって、会計単位・ビジネス単位それぞれの不足数が確定します。この評価を経ないと、正確な不足単位数はわかりません。

大学在学中でも受験できますか?

州によっては在学中でも受験できます。アラスカ州では、学位取得に必要な残り単位が18単位以内、かつ会計単位を取得済みであれば、卒業見込みの段階で受験できるルートがあります。在学中に受験を目指す場合の進め方は大学生のうちにUSCPAを目指す場合の進め方で詳しく解説しています。

出願州はどこを選べばいいですか?

受験資格の数字(学位要件・会計単位・ビジネス単位)を満たせるかどうかに加え、学歴評価機関の指定・出願フロー・実務経験の取りやすさまで含めて判断します。本記事は受験資格の数字を整理する記事のため、出願州の具体的な選び方は出願州の選び方|ワシントン・アラスカ・グアムの選び方で詳しく解説しています。

モンタナ州で受験すれば、そのままCPAになれますか?

いいえ。モンタナ州は受験資格の段階では学士号を必要としませんが、合格後にCPAとして登録するライセンス取得には、学士号以上の学歴(または学士号+追加30単位、あるいは学士号+実務経験2年)のいずれかのルートが必要です。「受験だけなら学士号不要」と「CPAになるのに学士号不要」は別の話です。

会計単位・ビジネス単位が足りているかどうかは、どうやって確認しますか?

大学の英文成績証明書をもとに、学歴評価機関(NIES・FACS・ERESなど)または予備校の単位診断で確認します。授業名だけでは米国基準の単位数に換算できないため、自己判断ではなく成績証明書ベースの評価が必要です。無料の単位診断であれば、出願前の段階で不足単位数の目安を把握できます。

まとめ|USCPAの受験資格は数字で判断できる

USCPAの受験資格は、「学歴要件」「会計単位」「ビジネス単位」「実務経験」という4つの要素を、州ごとの具体的な数字で確認すれば判断できます。

この記事の結論(再掲)

  • 会計単位は24単位、ビジネス単位も24単位が主流の基準(ワシントン州・グアム・モンタナ州)
  • アラスカ州のみ、会計15単位でビジネス単位が不要な代替ルートがある
  • モンタナ州は学士号がなくても、会計24単位+ビジネス24単位で受験できる(高卒・短大卒・大学中退でも検討できる唯一の主要ルート)
  • 受験資格とライセンス要件は別。実務経験は原則として受験資格には不要だが、ライセンス取得には州が定める年数・時間数(ワシントン州2年or1年、グアム2年or1年)が必須
  • 一般事業会社での経理・財務・税務経験も、有資格CPAの証明があればライセンス取得の実務経験として認められる(ワシントン州)
  • ワシントン州は2025年11月20日以降、学士号+会計24単位+ビジネス24単位だけで受験・ライセンス取得の両方に対応できる

自分がどの州で、どの数字を満たせているか(あるいは何単位不足しているか)を確定させることが、USCPAへの最初の一歩です。成績証明書1枚があれば、無料の単位診断でその不足数を確認できます。数字が確定したら、次は出願州の選び方で、どの州に出願すべきかを具体的に判断してください。

「学歴要件」「単位」という言葉だけでは、自分が受験できるかどうかは判断できません。判断できるのは、会計単位・ビジネス単位・実務経験のそれぞれが具体的に何単位・何時間かを、自分の状況と突き合わせたときだけです。本記事の数字を出発点に、まず自分の不足単位数を確定させてください。

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注意

⚠️ 本記事の情報について

記載の学歴要件・単位数・実務経験の要件は、各州会計委員会・NASBA公式サイトを直接確認したものです。受験資格・ライセンス要件は各州の会計委員会の規則改定により変更される場合があります。出願前に必ず出願先の州の公式サイトで最新の要件を確認してください。

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